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ー軽貨物の配送時間を短縮する実践術|効率と満足度を両立するコツー

2025年10月24日

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配送時間の考え方とKPI設計

軽貨物の配送時間は「走っている時間」だけではありません。受注から積込み、移動、納品、報告までの一連の流れを合算した実働時間として捉えることが大切です。時間の全体像を可視化し、ムダな待機や巡回を減らすことで、稼働効率と顧客満足の双方を高められます。

配送時間の定義をそろえる

現場でよく混同されるのが「リードタイム(受付→納品)」「ドアツードア(拠点→納品先)」「走行時間(移動のみ)」です。社内の用語を統一し、誰が計測しても同じ数値になるように基準を決めておきましょう。

目標値と許容範囲をKPI化

たとえば「平均配送時間120分以内」「時間指定遵守率98%」「回送(空車)比率25%以下」など、行動に直結するKPIを設定します。週次でレビューし、達成・未達の要因を分解すると次の打ち手が見えてきます。

定義とKPIを明確にしたら、次に大きな効果を生むのはルートとスケジュールの最適化です。地図と時刻表の“合わせ技”で、同じ距離でも驚くほど時間が変わります。

ルート設計とスケジューリングの基本

配送時間の短縮は、走り出す前にほぼ決まります。渋滞する時間帯を避け、密集エリアをまとめ、再配リスクを事前に潰す設計が肝心です。

時間帯別需要と渋滞パターンの把握

朝は幹線の上りが混み、夕方は住宅街の出入りが増えます。事前に「ピーク30分前に通過」「右折が多い交差点は避ける」などの原則を決め、通過時刻を意識した組み立てにします。

ルート最適化の組み立て方

– 近接エリアをクラスタ化(半径1〜2kmなど)
– 時間指定案件を軸に、前後へ“はめ込み”
– 右折回数とUターンを最小化する並び替え
– 均等距離より「停止回数の少ない線」を優先
– 帰庫ルートは給油・洗車・集荷と一体で設計

時間指定・置き配の束ね方

10〜12時指定が多い場合は、同一区画に2〜3件を固めて投入します。置き配可の顧客は早朝帯へ寄せ、対面必須は在宅率の高い時間に振り分けると、再配発生を抑えられます。

計画ができたら、積込みでつまずかない工夫が必要です。積込みの段取り次第で、現場の“探す時間”が激減します。

積込みと荷扱いで「探す時間」をゼロに

積み方が整っていれば、現場で迷いません。車内のどこに何があるか、誰が見てもわかる状態を標準化します。

積込みの標準手順

– 伝票を時間帯順→エリア順に並べ替え
– 荷物は「次に降ろす順」に左から右へ配置
– 90cm幅の“作業レーン”を確保して手戻り防止
– 伝票・端末・印鑑・封緘具はドアポケットで定位置化

車内レイアウトのコツ

棚やコンテナに「時間帯」「区画」「温度帯」などのラベルを貼り、色でも識別します。中積みが多い日は、空きスペースを事前に確保しておくと入替がスムーズです。

置き配・非対面の整備

置き場所写真、解錠手順、注意点をジョブノートに明記。チャイム不要やコール必須などの指定もテンプレ化しておくと、判断時間が減ります。

積込みの整備で現場が軽くなったら、納品先での滞在時間を短くする準備も同時に進めましょう。到着前の“先回り”が効きます。

現場オペレーションでの時短テクニック

同じ道・同じ荷物でも、到着前の3分の準備で滞在時間は大きく変わります。

到着前の準備をルーチン化

– 玄関・搬入口の位置を地図ピンに保存
– 伝票・端末・小口資材を胸ポケットへ事前移動
– 停車位置を想定し、車両の前後余地を確保
– 納品時の定型トークを10秒で言えるように

不在・再配の抑制策

在宅率の低い先は「到着10分前SMS」を標準化。受け取り方法の選択肢(置き配・宅配BOX・代理受取)をあらかじめ案内しておくと、再配に回る時間を削減できます。

トラブル時のワンストップ連絡

「不在・住所不備・入館不可」は現場で完結できるテンプレを用意します。例:〈到着→不在→置き配可否確認→写真添付→ステータス更新〉を60秒で終える流れを共通化します。

季節やエリアによって時間の使い方は変わります。地域特性を前提にした対策を織り込み、計画の当たり外れを減らしましょう。

季節・エリア別の時間対策

都市部と郊外では、同じ距離でも所要時間が大きく異なります。行事・天候・道路工事などの外部要因も見逃せません。

都市部でのポイント

– 工事区間とイベント日程を週初に確認
– コインパーキングの候補を3か所プリセット
– 一方通行の“抜け道”を2本ずつ用意
– 高層ビルは入館導線(受付→EV→テナント)をメモ化

郊外・地方でのポイント

– 施設間距離が長いので給油・休憩を計画に組込む
– 主要交差点の右折待ち回避ルートを保持
– 冬季は積雪・凍結で速度が落ちる想定を上乗せ
– 住所目印(看板・地番・色)を写真で残し再訪を短縮

効率を追求しても、安全や品質を犠牲にしてはいけません。時間短縮とコンプライアンスの両立こそが、長期的な信頼につながります。

時間短縮と品質・安全の両立

「速さ=荒さ」ではありません。無理な追い越しや違法駐停車は短期的に時間を稼げても、事故・違反・クレームで総時間が跳ね上がります。

安全・コンプライアンスの徹底

– 法定速度・安全確認・徐行の遵守
– 駐停車は指定エリア優先、難しければ最寄りの安全地帯へ
– 重量物は台車使用で身体負担を軽減し作業を安定化

顧客体験を損なわない工夫

玄関前の置き方、伝票の向き、写真の撮り方を統一します。短い挨拶と要点だけの説明で、対面時間を圧縮しつつ丁寧さを保ちます。

最後に、成果を定着させるには“測って直す”仕組みが必要です。データで語れるようになれば、現場の納得感も高まります。

データ活用と改善サイクルの回し方

配送時間は記録して初めて改善できます。ログの形式を決め、週次で短い振り返りを行い、翌週の計画へ反映します。

ログの取り方と見るポイント

– 受付時刻/積込み開始・終了/出発/到着/退出を自動記録
– 各停留所の滞在時間と理由(受付待ち・搬入・確認)
– 時間指定遵守率、再配発生率、空車比率
– ルート別の「停止回数」「平均速度」「右折回数」

週次改善会議の型

– 先週のKPI(平均配送時間・遵守率)を共有
– ロング滞在の上位5件を原因別に分解
– 次週のルート変更案と時刻微修正を決定
– 成果は社内掲示で可視化し、成功事例を横展開

ここまでのポイントを実行すると、配送時間の短縮は着実に進みます。最初の1週間は「用語の統一」と「時間指定の束ね方」を整え、次の1週間で「積込み標準化」と「到着前準備」を定着させるロードマップがおすすめです。小さな改善の積み重ねが、時間の貯金を生み、クレーム減少と売上の安定につながります。

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